2016年に新車購入してから約5年、走行距離約69000km、今まで一度もフロントブレーキパッドを交換していません。
仕事などで使用するのではなく、レジャーユースという事もあり、パッドの厚みはまだ4mm位はありそうです。※パッド厚み点検方法はこちら。
厚み的にまだ交換しなくてもよいのですが、ピストンの露出が多い状態で長く使用していると、ピストンの錆にも繋がりかねないので、この度早めにパッドを新品に交換することにしました。
- 年式:2016年
- 型式:VW2E26
- エンジン型式:YD25DDTi(ディーゼルターボ)
- トランスミッション:5AT
- 駆動方式:2WD
- グレード:GXライダー
- ボディ:ロングボディ標準幅
- 定員:2/5人
- カラーコード:KH3(スーパーブラック)
純正ブレーキパッドの品番と価格
今回使用するブレーキパッドはピットワーク(日産純正)のものです。品番と価格は以下の通りとなります。
名称 | 品番 | 価格(税抜き) |
---|---|---|
フロントディスクブレーキパッド | AY040-NS165 | 10000円 |
今回はAmazonで購入しました。定価よりも安かったですね。
日産純正=アケボノ製?
パッドをよく見てみると、「AKEBONO(アケボノ)」と打刻されていました。
実はAKEBONOでもNV350キャラバン用のブレーキパッドを販売しており、純正よりも価格が安いです。
詳細は不明ですが、仮にモノが純正品と同じであればAKEBONOを買った方がお得になりますね。
今回は純正品を購入済みなので、そちらを使用しますが、次はアケボノで販売されているものを使ってみるのもありかもしれません。
ディスクパッドをヤスリで削って面取り(鳴き防止)
ブレーキディスクパッドを車両に取り付ける前に、鳴き防止として角を面取りしておきました。今回面取りには棒ヤスリを使用しましたが、粗めの紙やすり+当て板でもOKです。
一応「鳴き」防止として面取りをしていますが、面取りをしなくても極端に鳴くような事は無いと思いますので、面倒な場合やらなくても問題ないと思います。
ブレーキパッド交換に必要なグリース
NV350キャラバンのブレーキパッドを交換する際には2種類のグリースが必要となります。
一つはブレーキパッドとシムの間に塗る「ディスクブレーキシムグリース」。もう一つはパッドリテーナ接触部分に塗る「ディスクブレーキパッドガイドグリース」です。
以下日産純正品番と参考価格です。
名称 | 品番 | 参考価格(税抜き) |
---|---|---|
ディスクブレーキシムグリース(50g) | KRF23-99050 | 2500円 |
ディスクブレーキパッドガイドグリース(50g) | KRF34-99050 | 2500円 |
ブレーキパッドの取り外し
ジャッキアップしてタイヤを取り外します。ジャッキアップの仕方はこちらの記事を参考にしてみてください。※記事内の作業は運転席側ですが、助手席側も同じやり方です。
ブレーキホース固定プレートをマイナスドライバー等で取り外し、ブレーキホースをフリーにします。
スライドピンボルト下側を取り外します。ボルトサイズは17mmです。
ブレーキホースに負担がかからないようにシリンダボディを回転させ針金等で吊るします。
今回は100均などでも売っているS字フックを曲げて使用しました。これ便利です。
ブレーキパッド、パッドリテーナを取り外します。
パッドからシムを取り外し、シム、パッドリテーナ、リテーナ取り付け部、キャリパーのパッド接触面を掃除します。
ブレーキパッドの取り付け
ブレーキパッドリテーナをトルクメンバに取り付けます。
ディスクブレーキシムグリースをパッドとシムに塗布し、シムをパッドに組み付けます。
ブレーキパッドガイドグリースをブレーキパッドのリテーナ接触部に塗布します。
パッド厚みが増えるので、パッドが組み込めるようにピストンを押し戻しておきます。押し戻しにはモノタロウの「ディスクブレーキピストンスプレッダー」という工具を使用しました。
↓画像ではピストン1個にツールを噛ませていますが、このやり方だと、片方のピストンが飛び出してしまいます。ですので2個同時に噛ませてピストンを押し戻した方が良いですね。
ピストンを押し戻す際は、ブレーキフルードがマスターシリンダーに戻りますので、リザーブタンクの液面に注します。溢れそうな場合、スポイトなどで吸い取ります。
ピストンを押し戻すと、高確率でダストブーツにエアが入り膨張してしまいます。このまま組み込むとダストブーツがピストンに挟まれて破れる恐れがあります。
角が丸いへらや棒を用いて、ダストブーツ根元を少しだけめくり、エアを抜いてやります。鋭利な道具はブーツを損傷する恐れがありますので使用しない方が得策です。
↓こちらがダストブーツのエアを抜いた後の画像です。ブーツが元の位置に戻り、ピストンに挟まれる心配は無くなりました。
ブレーキパッドをトルクメンバに取り付けます。
パッド取り付け時は、ブレーキパッドウェアインジケーター(センサー)の向きに注意します。NV350キャラバンの場合、車両内側の下の位置にウェアインジケーターが来るように取り付けます。※助手席側も同じ。
ウェアインジケーターのセット位置はブレーキのピストン側、且つ前進方向でブレーキパッドが最初に当たる位置にセットするのが基本となるようです。
シリンダボディをトルクメンバに取り付けます。※整備マニュアルには指定有りませんでしたが、前回ディーラーで車検を受けた際、シリンダボディとパッドの接触面、ピストンとパッドの接触面にもシムグリースを塗布していたようなので、今回もそこにシムグリースを塗布しました。
スライドピンボルトを取付け、規定締め付けトルクで締め付けます。規定締め付けトルクは72.5N・mです。
ブレーキホース固定プレートでブレーキホースを固定します。
ブレーキペダルを数回踏み込み、フロントディスクローターに引きずりが無いか、ブレーキフルード液面がリザーブタンクのMINラインとMAXライン内に入っているか確認。
タイヤを取付け、ジャッキダウンしてブレーキパッド交換は完了です。※助手席も同じやり方です。
今回NV350キャラバンのブレーキパッドを交換する際は整備マニュアルを参考に作業を進めましたが、このやり方が100%正しいとは限りません。
当記事の内容は、あくまでも参考程度にして頂ければと思います。
ブレーキは車の安全性において最重要箇所といっても過言ではありませんので、DIYで交換する際は最新の注意が必要です。1mmでも不安があるのであれば、プロの整備士にお願いするのが望ましいと思います。
ブレーキフルードを交換する場合
ブレーキフルードの交換を行手順う場合は下記手順の通りに作業をしていきます。
- ロードセンシングバルブのエアブリーダにビニールホースを接続する。
- ブレーキペダルをフルストロークするまで4、5回踏み込む。
- ブレーキペダルを踏み込んだ状態でエアブリーダを緩めエアを排出し、素早く締め付ける。
- エアが出なくなるまで手順2〜3の作業を繰り返す。
- エアブリーダを規定トルクで締め付ける(3.8N・m)。
- リヤ左輪のエアブリーダにビニールホースを接続する。
- ブレーキペダルをフルストロークまで4、5回踏み込む。
- ブレーキペダルを踏み込んだ状態で、エアブリーダを緩めエアを排出し、素早く締め付ける。
- エアが出なくなるまで手順7〜8の作業を繰り返す。
- エアブリーダを規定トルクで締め付ける(7.85N・m)。
- 手順6〜10の作業方法で、リザーバタンク内のブレーキフルード量が半分以上になるよう補充しながら、リヤ左輪→リヤ右輪→フロント左輪→フロント右輪の順にエア抜き作業をしていきます。※フロントのエアブリーダー締め付けトルクは8.4N・mです。
- エア抜き完了後、リザーバタンクのブレーキフルード量がMAXからMINの範囲であることを確認する。
●エア抜き作業を行う際は、キースイッチをオフにし、ABSアクチュエータ・C/Uのコネクタ、またはバッテリマイナス端子を外します。
●ブレーキフルードはボディや塗装面にかからないようにします。付着してしまった場合は、塗装に悪影響を及ぼす恐れがあるので、素早くふき取り、水洗いします。
●ブレーキフルードは日産純正ブレーキフルードNo2500(DOT3)を使用します。
ブレーキフルードを交換する際は、ブレーキペダルを踏みながらエア抜き作業をするので一人で作業するのは現実的に難しく、2人で作業するのが理想です。
しかし、どうしても一人で作業をしなくてはならない状況の場合は、市販されているブレーキフルードブリーダーを使用することで、一人でブレーキフルード交換をすることも可能となります。
アストロプロダクツやネットでそこそこのお値段で販売されていますので、一人で作業する場合はチェックしてみてください。
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