NV350キャラバンのタイヤ交換をフロアジャッキを使用して行ってみました。
タイヤ交換をする際に必要な情報である、ジャッキアップポイント、リジットラック支持位置、ホイールナット締め付けトルク、タイヤ空気圧などを備忘録としてまとめてみましたので参考になれば幸いです。
車載ジャッキと工具を使用したタイヤ交換の様子は別記事にありますので、車載工具でタイヤ交換をする場合はそちらも参考にしてみてください。
- 年式:2016年
- 型式:VW2E26
- エンジン型式:YD25DDTi(ディーゼルターボ)
- トランスミッション:5AT
- 駆動方式:2WD
- グレード:GXライダー
- ボディ:ロングボディ標準幅
- 定員:2/5人
- カラーコード:KH3(スーパーブラック)
NV350キャラバンのジャッキアップポイント
ジャッキアップポイントはフロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使用する場合と、車載のジャッキを使用する場合とで、かける位置が異なります。
今回使用するジャッキアップポイントはフロアジャッキ用の位置となりますので、お間違え無いようご注意ください。
ジャッキアップポイントを間違うと、安全な作業が出来ない上、場所によっては車両が損傷する場合もあります。
フロントジャッキアップポイント
フロントのジャッキアップポイントはスタビライザーの後ろ側にあるメンバー部分となります。結構奥にありますので、見えにくいですね。
拡大してみましょう↓赤丸部がジャッキアップポイントとなります。
実際にジャッキアップするとこのようになります。
リヤジャッキアップポイント
NV350キャラバンのリアジャッキアップポイントはデフケースです。
拡大画像↓デフケースはバンパー下から覗き込むと直ぐに分かると思います。
実際にジャッキアップするとこのようになります。
私の場合、いつもドレンボルト真下にジャッキの皿を当てています。ジャッキ皿には傷防止の別売りラバーアタッチメントを取り付けています。
リジットラック(ウマ)支持位置
フロアジャッキでジャッキアップ後はリジットラック(ウマ)で車体を支持するのが望ましいです。
ウマの設置個所は、車両に損傷を与えず、しっかりと支持できる場所であれば基本的にどこでも良いかと思いますが、今回はNV350キャラバンのサービスマニュアルに記載されている支持位置をご紹介いたします。
ウマを持っていない場合は、万が一ジャッキが下がってきても最悪な事態を防げるように、車体下に取り外したタイヤ等を置いておきましょう。
NV350キャラバンはかなりの車重がありますので、ジャッキが損傷してクルマの下敷きになってしまったら死亡事故に繋がる事もあります。
タイヤ交換時は車の下に身体を入れるような動作は無いと思いますが、万が一の事を考えて安全対策は万全にしておきましょう。
フロントリジッドラック支持位置
フロントのリジッドラック支持位置は左右共に画像赤丸部下側にある突起部となります。
下から覗き込むと直ぐに分かりますね。こちらは運転席側です↓
こちらは助手席側です↓
実際にリジッドラッグに車体前側を載せるとこのようになります。
NV350キャラバンのサービスマニュアルによれば、リジットラックの皿部分は凸凹のタイプではなくて、画像の様な平らなタイプが推奨されていますので、リジットラックご購入の際はご注意ください。
リヤリジッドラック支持位置
リアのリジッドラック支持位置は左右共に画像赤丸下側の突起部となります。
下から覗き込むと直ぐに分かると思います。こちら運転席側です↓
こちらは助手席側です↓
実際にリジッドラッグに車体後ろ側を載せるとこのようになります。リアの足は完全に伸びきる形になりますので、ローダウンする際なども作業しやすいですね。
リアのリジットラックも凸凹が付いていない平らなアタッチメントが推奨されています。
- フロアジャッキは地盤が固くて平坦な場所で使用する。
- フロントをジャッキアップする際は後輪後ろ側に輪止めをし、リジッドラックで支持した後、後輪両側に輪止めをする。
- リアをジャッキアップする際は前輪前側に輪止めをし、リジッドラックで支持した後、前輪両側に輪止めをする。
- ジャッキアップ状態だけで作業をしない。作業する際はリジッドラックで支持する。
フロアジャッキとリジッドラックについて
NV350キャラバンは一般的な乗用車に比べて車体の重量が重く、前前軸重で1200kgもあります。(後後軸重は800kg位)
ですので、使用するガレージジャッキも少し大きめのタイプがおすすめです。1.5tなどの小さいジャッキだと余裕がなく、ジャッキアップするのが大変です。
私はアルカンの3tジャッキ(HJ3000JP)を使用しています。デュアルピストン仕様でキャラバン、ハイエースクラスも余裕を持ってジャッキアップすることができます!高さも十分!
- 本体重量:約26.4kg
- 最大地上高:470mm
- 最低地上高:101.6mm
- ハンドル:2分割仕様
- 荷重重量:2721kg
リジッドラック、いわゆるウマに関しても車重をしっかりと支えられる丈夫なものが推奨されます。
私はアストロプロダクツで購入した3tタイプを使用しています。丈夫ですし、安定感も良いですね!
- 本体サイズ(最低位):W320×D320×H360mm
- 重量:4.3kg(ゴムパッド含む)
- 耐荷重:3t(1脚)
- 各段高さ(ゴムパッド非装着時):360mm(1段目)、420mm(2段目)、480mm(3段目)
- 台座シャフト径:φ48mm
ホイールナット規定締め付けトルク
NV350キャラバンのホイールナット規定締め付けトルクは108N·m (11kg‐m, 80ft‐lb)です。
今は昔と違って安価にトルクレンチが入手できる時代ですので、ホイールナットの締付はトルクレンチの使用を推奨いたします。
私はトネ製のプレセット形トルクレンチ T4MN140を愛用しています。本体後ろのダイヤルを回すだけでトルク調整ができるので使いやすいですよ!
スタッドボルトに潤滑油は塗る?塗らない?
タイヤ交換をした際、ホイールナット又はハブボルトに錆止めやカジリ止め剤を塗る派、塗らな派に分かれますが、いったいどちらが良いのか?
結論としては何も塗らなくて大丈夫です!
ソースはNV350キャラバンのサービスマニュアルで、マニュアルには次のように記載されています。
「ボルト及びナットのネジ部、ナット座面にオイルを絶対に付着させない。」
防錆油やカジリ止め剤を塗布などの指示はありませんでした。
2トン以上クラスのトラックなどではタイヤ交換の際、ホイールナットやハブボルトにエンジンオイルを塗布するように指示されているものもありますが、NV350キャラバンのスタッドボルトの場合だと何も塗らなくてよいとの事です。
因みに他メーカーのサービスマニュアルではどうなっているのか?
6代目ワゴンRのサービスマニュアルを所持しているので、調べてみると、、、
「ホイールを取り付ける際はホイールナットおよびハブボルトネジ部の異物、錆を除去し、油脂類が付着している場合は脱脂する。」
むしろ脱脂してくださいとの事です。防錆油を塗布などの指示はありませんでした。
NV350キャラバンのタイヤ空気圧
NV350キャラバンのタイヤ適正空気圧は運転席ドア開口部のシールに記載されていますので、そちらを確認します。
タイヤ空気圧はタイヤサイズとボディ形状により異なりますので、シールに記載されている数値はそれぞれ異なります。
一般的にタイヤへのエア充填はエアコンプレッサーを使用しますが、私はマキタの充電式空気入れを使用しています。
エアコンプレッサーと違い、エアチャックやホースや電源を必要としないため、いつでも気軽に使えるのですごく気にっています!
気になる方は是非チェックしてみてください↓
タイヤ交換作業
前置きが長くなりましたが、ここからは実際にタイヤ交換作業した際の様子となります。
前輪と後輪でジャッキアップポイントは異なるものの、基本的なタイヤ交換作業の方法は同じとなります。
フロントのタイヤ交換
車両を平坦且つ地盤の固い所に停車し、セレクトレバーをPの状態でエンジンを止めパーキングブレーキをかけます。(MT車はR又は1速に入れる)
後輪に輪止めを置きます。
車載のホイールレンチや十字レンチでホイールナット6つを反時計回りに約180°(半回転)回して緩めます。※インパクトレンチを使用する場合はジャッキアップ後でも緩める事が出来ます。
指定ジャッキアップポイントにジャッキをかけてジャッキアップします。
リジットラック(ウマ)を指定支持位置に置きます。ジャッキダウンし、リジットラックに車両を載せます。
5本のホイールナットを取り外します。
ホイールを落下させないようにホイールおよびタイヤを支えながら残り1本のナットを取りし、ホイールを取り外す。
ホイールを取り外した様子↓
ホイールを付け替え、ホイールナット6本を座面に当たるまで時計回りに手締めします。
- ホイールのブレーキディスク/ドラムとの接触面及びブレーキディスク/ドラムにホイールとの接触面に異物や錆が付着していないか確認。付着物がある場合は取り除く。
- ホイールナットのテーパー部、及びホイールのナット座面に亀裂や潰れ、段付きが無いことを確認。不具合があれば修理、修正が必要。
- ボルト及びナットのネジ部、ナット座面にオイルを絶対に付着させない。
- ホイールナットをホイール座面まで手で仮締めしてみて、引っ掛かりがある場合、又は座面まで手で回すことができない場合は、ホイールナット又はハブボルトの交換をする。
助手席側のタイヤも同手順で交換したら、ジャッキアップして車体下に置いたリジットラック(ウマ)を取り出します。その後ジャッキダウンします。
トルクレンチを使用し、ホイールナットを規定トルクで対角(↓画像の順番)に締め付けます。(規定締め付けトルクは 108N·m (11kg‐m, 80ft‐lb) )
リヤのタイヤ交換
ジャッキアップポイントが異なるだけで、リヤのタイヤ交換もフロントのタイヤ交換と同じやり方となります。
前輪に輪止めを置き、ホイールナットを緩める。ジャッキアップしてリジットラックでで車両を支持。
ホイールを取り外す。
取り付け時の注意事項を確認し、タイヤを取り付けます。ジャッキダウン後トルクレンチでホイールナットを締め付ける。
以上でNV350キャラバンのタイヤ交換作業は完了となります。
まとめ
今回はNV350キャラバンをフロアジャッキでタイヤ交換する際に必要な情報をまとめてみました。
NV350キャラバンをお乗りの方でフロアジャッキを使用してタイヤ交換をしようとしている方に少しでもお役に立てる情報があれば幸いです。
DIYでのタイヤ交換は決して悪い事ではありませんが、やはりある程度の自動車整備知識、工具や道具の知識は必要です。
実践経験値とネット等で得た机上の知識は別物です。クルマいじりなどを一切したことのない人が何も知らずに「ネットで見たから大丈夫」と言ってに適当に作業した場合は重大な事故に繋がる恐れがあります。
DIYでタイヤ交換をする際、1ミリでも不安な要素がある場合は一度プロの方にやり方を教わった上で作業をした方が安全かと思います。
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