NV350キャラバン(ディーゼルYD25DDTi)のエンジンオイル交換方法を日産のサービスマニュアルを元にまとめてみました。
この記事をご覧いただくことで、NV350キャラバンのオイル交換に必要な知識やオイル、工具などを知る事が出来ます!
同型のエンジンを搭載しているNV350キャラバンユーザーの方は参考になればと思います!
- 年式:2016年
- 型式:VW2E26
- エンジン型式:YD25DDTi(ディーゼルターボ)
- トランスミッション:5AT
- 駆動方式:2WD
- グレード:GXライダー
- ボディ:ロングボディ標準幅
- 定員:2/5人
- カラーコード:KH3(スーパーブラック)
エンジンオイル交換の準備
まずはエンジンオイル交換をする際に必要な基本的な情報をまとめてみました。オイル交換作業をする前に確認しておくことをおすすめします!
オイル交換時期とフィルター交換時期
NV350キャラバン(YD25DDTiエンジン搭載車)のメーカー推奨オイル交換時期とフィルター交換時期は以下の表の通りのなっております。
項目 | 走行距離又は期間()内はシビアコンディション時 |
---|---|
エンジンオイル | 20000km毎又は1年毎 (10000km毎又は6か月毎) |
オイルフィルター | 20000km毎又は1年毎 (10000km毎又は6か月毎) |
オイル量
NV350キャラバン(YD25DDTiエンジン搭載車)のエンジンオイル量は以下の表の通りです。
項目 | 必要オイル量 |
---|---|
エンジンオイルのみの交換時 | 7.5リットル |
エンジンオイルとフィルターの交換時 | 7.8リットル |
オイルパンとドレンボルトの場所
NV350キャラバンのオイルパン(ドレンボルト)は↓画像の赤丸部分にあり、カバーを取り外してアクセスします。
オイルフィラーキャップの場所(オイル注入口)
オイルフィラーキャップはエンジンルームの黄色いキャップのところです。画像右側にある黄色い輪っかはオイルレベルゲージです。
エンジンルームへのアクセス方法、及びエンジンフードの開け方に関しては以下の記事を参考にしてみてください。
オイルフィルターの場所
オイルフィルターは運転席の後ろ側にあるサービスホールを開けたところにあります。エンジンルームからはアクセスできません。
YD25DDTiディーゼルエンジンの指定オイル
2023年現在、NV350キャラバンのディーゼルエンジンの指定エンジンオイルは以下の通りとなっております。
20リットル缶のネット通販相場は15000円前後。安く買える穴場としてメルカリもおすすめです。
名称 | 品番 | ベースオイル | 粘度・規格 |
---|---|---|---|
日産純正クリーンディーゼルオイル | KLB31-05302 | fully synthetic(全合成油) | SAE:5W-30 ACEA : C3 |
純正オイルフィルターの品番
NV350キャラバンのディーゼルエンジン用のオイルフィルタの品番は以下の通りです。
名称 | 品番 | 参考価格(税抜き) |
---|---|---|
オイルフィルタ | AY100-NS034 | 1430円 |
NV350キャラバンのオイルフィルターは特殊な形状をしており、専用のカップレンチが必要となります。純正のカップレンチは結構値段が張りますが、モノタロウやアストロ、ストレートなどで互換品が手ごろな価格で販売されています。
純正ドレンパッキンの品番
日産純正のオイルドレンプラグパッキンの品番は以下の通りです。基本的にドレンパッキンは再利用不可部品となっておりますので、オイル交換するごとに交換となります。
名称 | 品番 | 参考価格(税抜き) |
---|---|---|
ドレーンプラグワッシャー | 11026-01M02 | 170円 |
エンジンオイル交換手順
ここからはNV350キャラバンのエンジンオイル交換の手順を分かりやすく解説していきたいと思います。
エンジンを暖機
エンジンを暖機し、オイル漏れなどが無いか確認。問題無ければエンジンを停止め、10分程放置。
ジャッキアップ
車両をジャッキアップ又はスロープに載せ、作業スペースを確保します。
NV350キャラバンのジャッキアップ方法、ウマのかけ方は以下の記事を参考にしてみてください。
エンジンオイルの抜き取り
オイルパンドレンのアンダーカバーを取り外します。
カバーは4つのクリップで固定されています。
クリップはマイナスドライバーなどでひねってやると浮き上がります。浮き上がったら手で取り外す事が出来ます。
クリップが外れたら、カバーを回転させて開けます。
フィラーキャップを開けておきます。
オイル受け皿をドレンプラグの下にセットします。オイルは約7~8リットル抜けてきますので、それに対応した容量の受け皿を用意してください。
ドレンプラグ(14mmサイズ)を取り外してオイルを抜きます。
エンジンオイルは熱くなっていますので火傷に注意しましょう。オイルが抜け切るまでしばらくかかりますので、その間にオイルフィルターを交換します。
オイルフィルターの交換
運転席後部のカーペットをめくり上げ、サービスホールを固定している4本のビス(10mmサイズ)を取り外します。
カップレンチでフィルターが手で回る位まで緩めます。
フィルターの回りをウエスでしっかり養生して万が一オイルが零れても大丈夫な状態にしておきます。この状態でフィルターを手で緩め、外れる寸前の状態で放置し、フィルター内のオイルを抜きます。
フィルター内のオイルが抜けたらフィルターを車両から取り外します。
オイルフィルター取り付け面を綺麗に掃除します。
新しいオイルフィルターのパッキン面にエンジンオイルを塗布します。
オイルフィルターを取付けます。規定締め付けトルクは17.7 N·mです。トルクレンチを所持していない場合、オイルフィルターを手でねじ込み、取り付け面に当たってから2/3回転で締め付けます。
サービスホールとめくったカーペットを元に戻してオイルフィルターの交換は完了です。
エンジンオイルの注入
エンジンオイルが抜けたらオイル注入作業に入ります。オイルドレンプラグに新品のパッキンを取付けます。今回は純正のパッキンではなくて、家にあった汎用品のパッキンを使用しました。
オイルパンにドレンボルトを取付け、規定締め付けトルク34.3N·mで締め付けます。※締付けトルクはディーゼルエンジン(YD25DDTi)、ガソリンエンジン(QR20DE、QR25DE)共通。
オイルパンカバーを元の位置に戻してクリップで固定します。
車両をジャッキダウンし、エンジンオイルをフィラーから注入していきます。今回はエンジンオイルとフィルターの交換なので7.8ℓのオイルを注入します。(オイル交換のみの場合7.5ℓ)オイルを注入する際は、万が一オイルが零れても大丈夫なように養生しておくのがおすすめです。エンジンルームにオイルを零すと掃除するのが超大変です。
オイルを注入したらフィラーキャップを取付けます。私はオイル注入時、オイルが入りやすくなるようにレベルゲージも抜いているので、ゲージも取り付けました。
オイル量のチェック方法
オイル注入が終ったらエンジンを始動し暖機します、始動中は見れる範囲でエンジンオイルの漏れなどがないかチェックします。
異常が無い事を確認しエンジンを止め、10分間放置。オイルレベルゲージを抜き、ゲージをウエスで拭いて再度ゲージを奥まで差し込んだ後引き抜きます。
エンジンオイルの量を点検する際は出来るだけ水平に近いところで行いましょう。
少し見にくいですが、オイルレベルゲージ先端の適量範囲内に収まっているのでOKとなります。
因みに↓がオイルレベルゲージを綺麗にふき取った状態です。ゲージ先端の穴と穴の間にオイルが付いていれば適量範囲となります。
オイルが適量である事が確認出来ましたら、ゲージのオイルをウエスで拭き取り、エンジンにしっかりと差し込み、エンジンフードを閉めてエンジンオイル交換作業は完了となります。
オイル交換が終わりましたら、次回のオイル交換時期が把握できるようにタックシールなどに記録しておくのもお忘れなく!
廃油の処理について
DIYでキャラバンのエンジンオイルをした際にネックになってくるのが廃油の処理の問題です。軽自動車と違ってオイル量も多くて厄介ですよね。
DIYオイル交換の廃油処理として一般的なのが市販のオイル処理パックを購入して使用するという方法だと思いますが、キャラバンはオイル量が多いので、大型のタイプが必要だったり、もしくは小型のものを2個購入する必要があったりします。
そうなると、まあまあのコストがかかってしまいますよね。そのような事もあり、私はオイル処理パックを自作してオイルを燃えるごみとして出しています。
自作と言っても作り方はものすごくシンプルで、市販のスーパー袋(100枚入り500円位)を購入して家にある不要なウエスをたっぷり詰め込んだだけのものとなります。
オイルを沁み込ませてもオイルがタプタプしないくらいのウエスを入れる感じですね。今回に関してこれでスーパー袋2袋に分けてオイルを処理できました。
行政指定のゴミ袋に入れる際、スーパー袋は漏れ止め(穴あき)防止をかねて3重にしてしっかり縛っていますので、合計6枚の袋を使用していますが、それでも市販のオイル処理パックよりも激安となります!
因みに自作のオイル処理パックは行政により、認められない場合も御座いますので、自作オイル処理パックを使用する際は住まいの行政にて必ず確認をしてください!
以上が自作オイル処理パックによるオイルの処分方法です。ウエスを大量に入手できる環境であればコストがかからないのでおすすめです!
ウエスの入手方法ですが、私の場合、友人知人、親戚などに声がけをして、古着や汚れた服、不要になったタオルやシーツ、毛布を定期的に仕入れています!
断捨離ブームもあるのか?各家庭には思った以上に不要な衣服やタオル、シーツ、布団があるみたいで、今のところにウエスに困った事はないですね!
オイルフィルターの処分方法について
使用済みのオイルフィルターは行政の燃えないゴミとして出す事の出来ない厄介なものです。
今まではある程度まとまったら知り合いの車屋さんに持っていき、処分していたのですが、何だか申し訳ないですし、何よりそこまで持っていくのが面倒と感じていました。
そこでたどり着いたのが、自宅でオイルフィルターを分解、分別して家庭ゴミと処分する方法です。
世の中には便利なものがありまして、オイルフィルターを簡単にカットする工具が売られています。それがこちら↓ストレート社のオイルフィルターカッターです。
使い方は簡単で、オイルフィルターカッターにフィルターをセットし、刃を押しあてながらカップレンチでフィルターをクルクル回すだけとなります!セーバーソーなどでカットするよりも遥かに楽にカットする事が出来ます。
カット後のオイルフィルターはこんな感じです。切り口が綺麗ですね。
フィルター部分はプライヤーなどで分解、分別していきます。
最終的にここまで分解して燃えないゴミと燃えるゴミに分別可能になりました。ここまでやれば家庭ごみとして問題なく処分可能となります。家でオイルフィルターを処分する場合、オイルフィルターカッターおすすめです!
オイル交換に必要なもの一覧
NV350キャラバンのオイル交換作業で必要な物をまとめてみました。
- フロアジャッキ(3t以上推奨)またはスロープ
- リジットラック(ウマ)
- ラチェット
- オイルフィルターカップ(専用レンチ)
- 14mmのメガネ又はボックス
- 10mmのメガネまたはボックス
- 内張りはがし(マイナスドライバーで代用可)
- ドレンパッキン(外径20mm、内径12mmサイズ)
- クリーンディーゼルオイル(指定銘柄)
- オイルジョッキ(7.8Lも入るので大きめ推奨)
- オイル処理パック
- ウエス
- パーツクリーナー
- 新聞紙や段ボール(養生用)
動画
動画バージョンはこちらからご覧いただけます。上記記事と照らし合わせながらご覧頂くとより分りやすいと思います。
まとめ
NV350キャラバンのオイル交換は、作業自体決して難易度が高くはありませんが、必要な工具がいくつもあったり、オイルの処理やオイルフィルターの処理の問題もあります。
しっかりとした環境がないとDIYでのオイル交換は現実的ではないかもしれません。多少コストは高めになりますが、車屋さんにお願いした方が良いのかもしれませんね!
コメント
コメント一覧 (2件)
オイル交換、お疲れ様です。
オイルエレメントや、フィラーキャップのアクセスが手間そうだけど、フードが無い分、室内が広いんだから、仕方ないのでしょうね。
新車の慣らしについて、ATFとかってどうなんでしょう?
ATも、アタリがつくと鉄粉でそうですよね。
マッハ☆イッタさん
おっしゃるとおりです。オイル交換の手間はありますが、レジャーユースには最高なクルマですね!
ATFも早いうちに交換したいですね。その際はやはりディーラーに頼む予定です!